VN-2002(14MHz)はLPFと,受信部のアンテナ切り替え回路の定数を変更することで受信感度と送信出力の改善を行いましたが,まだ十分な送信出力が得られないという報告があり,また製作代行で私自身が製作したVN-2002も出力が3Wにわずかに届かないこともあり改めて検証しました.
まずLPF単体の特性を測定しました.
黄色曲線がリファレンスで紫色曲線はLPF単体のゲイン特性です.fcは14.7MHz
で設計していますが,測定結果もほぼ設計通りになっていました.ただもう少しfcを上げても良いかもしれません.
次にBS170パラレルのゲート・ドレイン電圧曲線を測定しました.
(青色:ゲート電圧,黄色:ドレイン電圧)
ドレインピーク電圧は54.0VとVDDの約4倍弱と低くありません.スイッチタイミングは一見ピッタリのように見えましたが,ドレイン電圧の立下りからゼロになるほんの直前でゲート電圧が立ち上がっています.2本のプローブは同規格で測定に依るずれはないものとするとE級ネットワークの共振周波数がやや低い可能性がありました.
そのためE級ネットワークの定数を調整し共振周波数をやや上げた結果出力上昇がみられました.
具体的にはC63とC64の合成容量250pFを10pFずつ下げて検討しました.
その結果230pF(220pF+10pF)で出力3Wに到達しとりあえずの妥協点としました.
もっと下げれば出力は上がりますがスイッチポイントのずれや負荷インピーダンスとのミスマッチが大きくなって効率が落ちてしまいます.またL9とC59,60の調整も本来は必要でしょう.
そういったわけで,VN-2002を組み上げた際出力がやや弱い場合は上記の調整を試みるようにしてください.できればオシロスコープでゲート・ドレイン電圧を観察しつつ良いポイントを探してみてください.
Brilliant information thanks. 72 Dom M1KTA
返信削除You're welcome, Dom.
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