2018年5月27日日曜日

VN-2002の出力と受信感度向上のための改修例について

14MHz版VN-2002は、他のモデルに比べて出力が低い(13.8Vで3W弱)ことと受信感度がやや低いため改善方法を模索しておりましたが、ひと通り改善することができましたので改修方法の一例としてその手順を公開します。

なおキット内容とマニュアルは改修前の状態ですので、必要なパーツ(2.2μHチップインダクタ、47pFと270pFチップコンデンサ)は含まれておりません。今後頒布する分には追加パーツとして同梱する予定ですが、配布済みの分につきましてはご自身でご用意くださいますようお願いいたします。

まず送信部から。

改修法は単純で、LPFの3つのコイル(L6,7,8)の巻き数をおのおの15回から14回に1回分減らすだけです。これにより出力は13.8Vで3W強に上昇します。高調波スプリアスは測定上2次高調波で数dB悪化しましたが-58.8dBcと基準は余裕でクリアしています。


次に受信部です。

下の写真の赤丸部分が改修ポイントです。


まず、L5, C65, C66, C67を除去します。
そのあとL5パッドに47pFのコンデンサを、C65に2.2μHのインダクタ、C67に270pFのコンデンサをそれぞれ装着してください。

改修ポイント

L5の値が大きいことによる感度不足が主な原因でした。L5とC65を入れ替えたのは、送信時L5が送信出力に並列に接続されることによるインピーダンスの乱れを抑える目的でLとCの位置を交換しました。換装したCの容量分C67の容量を減らしました。

VN-4002、VN-3002につきましては現状の回路構成で出力・感度は十分取れているのでそのままで差し支えありません。もちろん改修も可能ですが(各定数は周波数帯により異なります。計算の上決定してください。)検証はしておりませんので自己責任でお願いいたします。