VNシリーズ各情報

2017年7月3日月曜日

VN-4002 フルキット頒布のご案内 (added a manual abridged version in English)

ポケットサイズ40mバンドQRP CWトランシーバVN-4002フルキット頒布準備に目処が付いたので7/1より頒布開始しました。


今回は50台分のパーツを調達し、うちテスト用の2台分を除いた48台分を初回頒布に充てています。

頒布価格は8,500円(送料別)です。

キット内容は、各パート(コントロール部、RF)のプリント基板と装着するすべての部品、アクリルパネルと取り付けビス・スペーサ類等、組み立て&操作マニュアル冊子です。

 パーツは表面実装部品を含めてユーザがすべて装着するフルキットになっています。表面実装部品は1608、2012サイズのCRコンポーネントに加え0.5mmピッチの10pin MSOP IC(Si5351A)のごく小さなデバイスが含まれるため、組み立ては表面実装部品の装着に慣れている方が望ましいです。

まずは来る7/17,18に大阪池田市で行われる第22回関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2017)のリトルガンくらぶブースで10セットほど頒布する予定です。通販対応はこのイベント終了後、このブログで改めて告知いたしますので、通販ご希望の方は今しばらくお待ちください。

 参考までにマニュアルのダイジェスト版をこちらに用意しました。

English language version HERE

ご質問などございましたら jl1vnq(アットマーク)gmail.comまでお寄せください。

6 件のコメント:

  1. JR1JWZです。先日は頒布ありがとうございました。

    とりあえず、コントロール部は完成しました。しかし、si5351Aのトラブルに見舞われ、かなり難儀しました。以下、それらを含めてレポートします。なお、si5351Aについては、途中、静電気等で破壊されたのか、半田付けで不良になったのか等は、今となっては不明です。

    部品は番号シール付きで分けられているので、とても助かりました。でも、この仕分け作業、かなり大変だったと存じます。設計者様の御配慮に改めて御礼申し上げます。

    さて、はんだ付けを終えて、動作チェックに入りました。液晶表示、ビープ音、送信時のサイドトーン等、全て正常でした。次にBFO出力を周波数カウンタでチェック。ところが表示は4Mからかなりかけ離れた値。次に、LFOをチェック、これもかなりかけ離れた値。次に送信時のRFをチェック。これもかなりおかしな値。

    変だなあと思いながら、同じく受信機(VX-3)でチェック。ところが、BFO、LFO、TX-RF、全てその周波数で感知できません。しかし、それらの出力のP-P(検波出力のDC電圧)を計ると3.1V以上あり、出力は出ていると判断。

    ここで、原因を推定。
    1. どこかではんだ付け不良。
    2. 25M水晶がsi5351Aにつながっていない。
    1. は何度もチェックを行い、問題点は見つからず。25Mの水晶に標的を定めました。

    とりあえず、その水晶のランドに再はんだ。しかし、現象は改善せず。この水晶が正常につながっているか否かは、その形状から、外から調べる方法はありません。こうなると、水晶を取り外すしかありません。で、どうやって取り外すか。ここで、奥の手?、はんだごてを二つ使い、両サイドから攻める....、はい、意外と簡単に取り外せました。

    さて、ここで、わざと水晶を装着せずに動作させてみます。結果、まったく同じ現象が再現できました。なので、今度は水晶にリード線を付けて確実にsi5351Aにつなげてテスト。これで、正常に動作するはず....でしたが、NG。結果、水晶の不良と判断。ちょっと熱を加え過ぎたのかなあ....。でも、あの位は耐えて欲しいなあ..と思いながら(笑)...。

    次に、新しい25Mの水晶に変更してテスト。これで絶対動くはずだったが、NG。こうなると、もはや打つ手無し。でも、もう一度はんだ付けの不良をチェック(もう何度も行っていたのが)している時に、偶然、si5351Aの3番ピンがGNDに落ちていることを発見。何度もその配線周りを疑ったが、問題点は見つからず。こうなると、si5351Aを取り外してチェックするしかありません。

    si5351Aの端子と基板のわずかの隙間に細い線を通し、はんだごての小手先を平型に変え、5端子を同時に温めてその細い線を持ち上げる...、この方法で、1番から5番ピンを基板から浮かすことに成功しました。

    ここで、3番ピンと8番(GND)ピンの導通をチェック。はい、導通しています。原因はこいつかあ...、そうです、si5351Aです。

    残りの6番から10番ピンの取り外しにかかりましたが、この時、9番ピンのランドを痛めてしまいました。まあ、この位は想定内(笑)なので...、そんなことよりも早くsi5351Aを取り換えて、動く姿を見たい....。

    わくわく?しながら、si5351Aを交換。まさに、老眼とルーペの戦い(笑)。結果、周波数カウンタを含めて、正常動作確認できました。(オシロでの確認はしてませんが)

    追伸
    回路図で、R5とR6の表記が逆ですね。同じ値なので実害はありません。何度もチェックしているうちに発見してしまいました。(笑)

    マニュアルで、ストレートキーモードの表記がなかったのですが、実装済ですね。
    25Mの水晶は多分まだ生きているかも(笑)...と思います。

    si5351A周りは、隣同士のピンのブリッジ、ランドとピンが導通しているか(はんだ付けチェック)否かを中心にチェックしていたため、3番ピンと8番ピンが内部的に導通していた等、夢にも思わないことでした。まあ、水晶周りの配線を入念にチェックすれば、気付いていたたかも知れません。

    タクトスイッチに流れる電流ですが、100AμA弱と小さ過ぎるので、いずれ接触不良を起こすかも知れません。私は別途1kΩでプルアップしました。

    キーイングを74VHC00のゲート制御から+B電源制御に変更したのは、キークリック対策でしょうか。

    老眼とルーペの戦い(笑)ですが、私は「LED付マルチルーペ」を使いました。価格は1500円前後ですが、お勧めです。両手がふさがらずにはんだ付けでき、LEDの明かりが効果的で、VYFBです。

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    1. JWZさん、CTRL部の詳細な組み立てレポートありがとうございました。

      Si5351Aの3-8ピン導通の件はデバイス自体の初期不良の可能性があったということなのでしょうか?私もその現象については初耳でした。しかし難しいトラブルシュートお見事です。

      追伸にありましたR5,R6の表記は、恥ずかしながらまったく気が付きませんでした。ご指摘いただいてほんとうに感謝です。

      Straightキーモードの未記載はマニュアルが出来たときに気がついたので、あとのキットのマニュアルには訂正シールを貼っておきました。

      タクトスイッチに繋がるポートはファームウエアで弱プルアップ(数10kΩ程度)を指定してありますが、ご指摘の通り接点不良を起こす可能性があります。ただ前作のキーヤーのタクトスイッチのポートも同じPICの弱プルアップを使っていますが、接点不良の報告など今のところ見られないため今回もそのままにしてありました。接点不良の発生についてはlong termに見てみたいと思います。

      キーイングの回路をNANDロジックから電源制御に変更したのはまさに仰るとおりで、キークリック対策です。ファームウエアでキーイングのタイミングをミリ秒単位で調整し、電源ラインにぶら下がっている100μFの充放電特性を利用してソフトキーイングを何とか実現しています。

      LEDの明かり付きルーペ、良いですね。私はデスクライトをめいっぱい近づけて相当明るくした上で肉眼で作業しています。術野(作業対象)を明るくすることは、眼の疲れ以外にも作業の正確性を保つ上で基本ですよね。

      私が気がつかなかったことなどご指摘いただきまして改めてありがとうございました。RF部の組み立てレポートもぜひよろしくお願いいたします。

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    2. JR1JWZです。以下、RF部の報告です。

      ちょっと手こずったのが、NM8202(U6)のはんだ付け。はんだ付けの後、ランドとICのピンの根元の導通チェックを行ったのですが、7番Pinが導通していないことを発見。そこで、もう一度そのピンにはんだごてを当てるということを何回か行ったのですが、NG。しかし、ルーペで見ても、繋がっているように見えます。まあ、こういうことは何回か経験しているので、想定内です。何か不純物が入ったか、ピンが微妙に浮いているのかも知れません。

      さて、解決策ですが、はんだブリッジ覚悟でピンにはんだを流し込みます。その後、基板を傾け、引力と表面張力を利用して、ブリッジしている箇所にはんだごてを当て、はんだを振り払うようにすると、理想的な富士山状にはんだが仕上がります。はんだ吸い取り線は使いません。で、無事に、7番ピンが導通しました。

      ここで、お恥ずかしい話ですが、L9(1.44μH)を間違った値のコイルを装着してしまったことに気付き、一度コイルを取り外しました。ここで、回路を眺めながら、悪知恵?が...。

      T5の1:4の変換をLCで実現(置き換え)すると、そのLと(C63+C64)とL9が直列接続になり、その合計リアクタンスをL9だけで実現すれば、T5と(C63+C64)は不要になる...のでは?。(直流分カットは必要ですが)

      で、早速計算...。L9≒0.9μH(置き換え)、C≒780pF(追加)でしょうか。L9は要調整でカットアンドトライが必要だろうということで、ピンを介するようにしてはんだ付け。さらに、7次チェビシェフLPFを4/λ型LPFに定数変更。これは4/λ型LPFでも動くはずだというとを、ついでに確かめたかったためで、深い意味はありません。

      で、結果ですが、思わしくありません。L9の値を調整しても出力MAX 1W弱でした。L9の計算値を間違った可能性もありますが、まあ、ここは深追いをせず、回路も元のままに戻しました。で、今、見直してみると、C≒780pFをつけ忘れていました。ああ、情けない...。今となっては後の祭り...。

      実は、昔キットで作った2N7000を使ったE級のトランシーバーがあり、9.6Vで3W以上出るのですが、終段をそれと同様に置き換えて試してみたりしたのですが、うまく行かず、基板パターンも危なくなってきたので、潮時と考え、元に戻しました。

      現在、9Vで1W位出てます。BS170の発熱はほとんどありません。多分、L9と(C63+C64)の調整で、QRO出来ると思いますが、これで良しとします。ちなみに、BS170を4パラにすると、20%位QROできました。

      尚、RF部のC24の10pFですが、バンド幅は小さくてよいので、6pF(12pFの直列)に変更してます。

      受信は特に問題ありません。そういえば、3SK294は、はんだ付けすると、印字面の表示が見にくくなります。新品時に、1番ピンに白インク等で印を付けておくことをお勧めします。はんだ付け時の位置合わせの調整等で、ちょっと、はじいてしまった時等、白インクが役に立ちます。実は、これにハマって、かろうじてUVの表示を見つけ、事なきを得ました。(汗...)

      以上です。

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    3. JWZさん、RF部のレポートありがとうございました。

      U6,U7もSi5351Aと同じくらい小さいデバイスで装着が難しかったかもしれません。ピッチがやや広めなのが救いですが^^;

      それからE級ネットワークの実験について、T5を省いてLPFにインピーダンス変換機能を持たせるようかなと私も考えています。E級動作の調整と確認にはオシロスコープが有用で、ドレイン波形を観察しながらLやCをトライアンドエラーしていくとFBです。

      JWZさんが以前お作りになったキットは2N7000のE級で3W以上@9.6Vだそうですが、どのような回路なのか興味があります。もし差し支えなければ教えていただけませんでしょうか?

      3SK294は秋月で見つけましたが、パッケージが非常に小さくてマーキングも見にくいです。同じ性能でひとまわり大きく、ソースピンが太いモデルもあるので入手先を見つけて変更なども考えてみたいと思います。

      あとC24を6pFに変更とのことですが、大陸からの放送波の影響など何か変わったところなどはいかがでしょうか?私のアンテナ設備では気にならなかったのですが、人柱版の製作者のなかで大陸からの放送波による混変調と思われる現象の報告をいただいております。

      ともあれ無事完成お疲れさまでした。

      何か他にもお気づきの点がございましたら、コメントよろしく願いいたします。

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    4. JR1JWZです。

      2N7000のE級の回路ですが、JN3XBYさんのブログ

      http://blog.toshnet.com/category/18931-4.html

      2007年08月18日
      LA1600を使ったCW TRX 「神護」その後

      の回路のパクリ?です。ただし、この後に5次のλ/4型LPFを追加してます。

      もとになったキットはキャリブレーションのTGS-40Cというもので、スペック上は12V 1Wですが、終段部分を上記のように改造してあります。今、測ったら、9vで2.6W位でした。

      この回路は、定数は異なりますが、T5を省いた場合の回路に似ています。

      さて、例の悪知恵?ですが、ちょっと別基板でリベンジしてみました。今度は忘れず780pFを追加し、L9の巻き数を調整しました。結果、T37-2 12t~14t当たりで 9V 1.8W まで得られました。ただしBS170は3パラ、LPFは7次λ/4型LPFです。

      BS170は発熱します。電源電流が0.58A位流れます。まだ、調整が必要のようです。

      受信に関しては、聞こえないはずの信号が聞こえる、というようなことはなく、メーカー製のトランシーバーと変わりありません。大陸からの影響も感じません。ただし、私の環境では都市ノイズが大きいので、厳密にはわかりません。

      C24の6pFに関しては根拠はありません。多分、10pFの場合とあまり変わらないと思います。1pF~3pF位だと違いがわかるかも知れません。

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    5. JWZさん、おはようございます。実験レポートありがとうございます。

      終段について岩永さんの回路をTGS-40Cに適用されたということですね。電流が0.58A(終段で約0.5A)と多くてBS170が発熱しているということは、おそらくZVSになっていないようです。オシロスコープでドレイン電圧とゲート電圧を観察するとはっきりすると思います。T5はいずれ省略したいと思っているのでJWZさんの実験は非常に参考になります。

      受信レポートもありがとうございます。7.2MHz以上の短波放送の影響が懸念されたので、受信フロントエンドの同調回路を複同調にしてみました。結合C(C24)の値は特性を見て決めましたが、もっと小さくても良いかもしれませんね。

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